「コンドームが性行為中に破けてしまった」
「気がついたらコンドームが外れていた」
「ピルを飲み忘れている」
このように、いろんな避妊の失敗がありますよね。でも、避妊を失敗したからといって、100%妊娠するわけではないから、「それ程心配しなくても良いのでは?」というように、根拠がないけど「多分大丈夫」だと思うこともあります。
パートナーや「大丈夫じゃない?」と言ったとしても、自分が「多分大丈夫だと思う」というのは、なんの根拠もないですが、妊娠するかもと思うと、パニックに陥る可能性があるため、落ち着くために脳の安全装置が働いているだけになります。
避妊の失敗率
まずは、各種避妊法使用開始1年間の失敗率(100人の女性が1年間に妊娠する率)です。
方法 | 理想的な使用★ | 一般的な使用★★ |
経口避妊薬(ピル) | 0.3% | 9% |
避妊リング(IUS) | 0.2% | 0.2% |
子宮内避妊用具(IUD) | 0.6% | 0.8% |
コンドーム | 2% | 8% |
リズム法(オギノ式など)リズム法(オギノ式など) | 0.4% 〜5% | 24% |
避妊せず | 85% | 85% |
★★:選んだ避妊法を使用しているにもかかわらず妊娠してしまった場合
(経口避妊薬については、飲み忘れを含めた場合の失敗率)
Contraceptive Technology,20 ed., Ardent Media, 2011 Table3-2 改変 http://www.contraceptivetechnology.org/CTFailureTable.pdf
これは、各種避妊方法を1年間使用し続けた場合の失敗率なので、1回の失敗率ではありません。例えば、1年間全く避妊をせずに妊娠する可能性は85%ということになります。そうすると、年間で85%だから1回の失敗だけだと可能性が低くなるから大丈夫では。って思う人もいるかも知れません。
また、どの避妊方法でも失敗の可能性があります。
避妊失敗のリスク
避妊を失敗して懐妊した場合のリスクはどのようなものがあるのでしょうか?
知っていることも多いかと思いますが改めてご説明しますと
人口中絶の費用
望まない妊娠をした場合に、経済的などを理由として中絶の措置をした場合に、費用的には10万円〜20万円と言われています。また、時間の経過とともに高くなる傾向があり、さらに妊娠22週以降は人工中絶手術を受けることができなくなります。
タイムリミットがあり、それまでにお金を用意しなければならないということから、厳しい決断を迫られることもあります。
人口中絶は女性の体にも負担
日本での一般的に行われている中絶方法は子宮内に器具を入れ、赤ちゃんを掻き出すものです。 もちろん出血もしますし子宮内膜にダメージを与え、 そして合併症のリスクもあります。
人口中絶は心の負担も
そもそも、この世に生を受けようとしている赤ちゃんのことを考えると、やり方が残酷なので精神的にもダメージを受ける方も多いです。
想像するだけで胸が苦しくなりますよね。世界的には、女性ホルモンの働きを抑制する、経口タイプの中絶薬つまり、飲む薬によっての中絶が一般的ですが、この方法は現在において日本では認められていません。そのため、時代錯誤な方法によっての中絶の方法となります。
なぜ「避妊失敗が心配しすぎ」になる?
たとえば、コンドームが破れていたとします。破れた場合には、最初からつけていなかったと同じことになりますので、非常に危険な状態であると言えます。
ですが、「とはいえ、大丈夫だろう」と思い込んでしまうことがあります。
これは「正常性バイアス」といい、大きな出来事が起こっているにも関わらず、自分で都合よく解釈してしまうことです。
自分がそんな危険な状態に置かれているわけがないという思い込みで、落ち着こうとする心の安定装置のようなものです。そうすると、「心配しすぎ」と思うより、妊娠してしまう危険を回避するために、心配することが大事ということになります。
これって、大変危険な状態で何も解決していないのに、自分の脳は「大丈夫だろう」と問題から目を背けている状態になります。
どのように対応したら良い?
心配している人に対して「心配のし過ぎだ!」と問題から目を背けるのではなくて、避妊失敗の事実を受け止め、早めに対応することが良いと思います。つまり、一刻も早く緊急避妊薬(アフターピル)を手に入れて飲むことが大事だと言えます。
また、事前にアフターピルの入手方法を確認しておいて、もし失敗した場合には、ここから手に入れるという手順を事前に考えておくことが大事です
アフターピルの入手方法はこちらから
まとめ
「大丈夫だよ!心配しなくても」という言葉は、正常性バイアスからで、悪気はなくても人間の性質で「いったん落ち着こう」という気持ちから出てくる言葉なのですが、それにより大きな判断ミスを犯してしまうこともあります。
落ち着くことは大事ですが、失敗したときにのリスクを考えた場合には、「心配だから、アフターピル飲むようにしたほうが良い」と判断したほうが、ほんとうの意味での落ち着きを得ることが出来ます。
逆に、「心配しすぎだよ」と言われたとしても、本当の安心を得ることは出来ませんよね。
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